相続税申告および納付は原則として納付期限までに現金による一括納付ですが、一定の要件を満たすことでその期限を延長することが出来ます。これを延納といい、納めるべき相続税を毎年少しずつ分割によって支払っていくことで5年から最大20年ほど延期可能です。
利息として「利子税」も生じますが、支払いの負担は大きく軽減出来ます。この利子税は取得した財産に対して不動産等の割合がどの程度占めているかに応じて税率が変動します。現金があまりなく、不動産が相続財産の多くを占めている場合がこの制度が一般的に活用される事例です。
また、延納は所轄の税務署長に申請しますが、その際以下4つの要件を満たす必要があります。
- 相続税の金額が10万円より大きいこと
- 金銭納付が困難な原因があり、かつ、その金額の範囲内であること
- 延納税額および利子税額に相当する担保を提供すること
- 延納申請期限までに延納申請書・担保提供関係書類・金銭納付を困難とする理由書を提出すること
延納期間と利子税の割合
延納をすると、本来納める税金に加え利子税が別途かかります。利子税は、下記のように計算します。
利子税割合(年割合)× 特例割合÷7.3%=特例適用後の利子税
延納は、どんな財産をどのような割合で取得したかによって当てはめる利子税割合や特例割合が異なります。特例割合とは、毎年銀行の平均金利や財務大臣が提示する割合をもとに、割り出しているためその年により異なります。
相続財産に占める不動産等の割合が75%以上ある場合
(1)動産等に係る延納相続税額
- 延納期間(最高):10年
- 延納利子税割合(年割合):5.4%
- 特例割合:0.6%
(2)不動産等に係る延納相続税額((3)を除く)
- 延納期間(最高):20年
- 延納利子税割合(年割合):3.6%
- 特例割合:0.4%
(3)森林計画立木に係る延納相続税額(森林計画立木の割合が20%以上)
- 延納期間(最高):20年
- 延納利子税割合(年割合):1.2%
- 特例割合:0.1%
相続財産に占める不動産等の割合が50%以上75%未満の場合
(4)動産等に係る延納相続税額
- 延納期間(最高):10年
- 延納利子税割合(年割合):5.4%
- 特例割合:0.6%
(5)不動産等に係る延納相続税額((6)を除く)
- 延納期間(最高):15年
- 延納利子税割合(年割合):3.6%
- 特例割合:0.4%
(6)森林計画立木に係る延納相続税額(森林計画立木の割合が20%以上)
- 延納期間(最高):20年
- 延納利子税割合(年割合):1.2%
- 特例割合:0.1%
相続財産に占める不動産等の割合が50%未満の場合
(7)一般の延納相続税額((8)、(9)、(10)を除く)
- 延納期間(最高):5年
- 延納利子税割合(年割合):6.0%
- 特例割合:0.7%
(8)立木に係る延納相続税額(立木の割合が30%を超える場合)((10)を除く)
- 延納期間(最高):5年
- 延納利子税割合(年割合):4.8%
- 特例割合:0.5%
(9)特別緑地保全地区等内の土地に係る延納相続税額
- 延納期間(最高):5年
- 延納利子税割合(年割合):4.2%
- 特例割合:0.5%
(10)森林計画立木に係る延納相続税額(森林計画立木の割合が20%以上)
- 延納期間(最高):5年
- 延納利子税割合(年割合):1.2%
- 特例割合:0.1%
香川・高松にお住いで相続税申告の延納についてご不明な点がある方は高松相続税申告相談プラザまでご相談ください。相続税申告に精通した専門家である税理士が、香川・高松の皆様のお話を親身に伺い、最適なサポートをご提案いたします。