
相続税申告においては、納税者自らが納める税額を計算し、算出した金額を納税する必要があります。そのため、相続が開始したら相続人は自ら亡くなった人の財産を調査し、それぞれの評価をし、そのうえで相続税額を計算してから、その金額の申告と納付をしなければならないのです。
こちらのページでは、相続税申告と納付の流れについてご説明いたします。
相続税申告の流れ
まずは、一般的な相続税申告の流れについて大まかに確認しましょう。
- 必要書類の収集
相続人の人数を把握するために、被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの全戸籍や相続人の戸籍謄本などを収集します。これらは相続税を計算・申告する際に必要となる書類です。 - 相続財産評価額の計算
それぞれの相続財産を評価します。これは、国税庁が出している「財産評価基本通達」に基づいて行います。財産総額によって、相続税申告が必要であるかどうかがわかります。 - 遺産分割協議
相続する財産が確定したら、相続人全員で集まり、「誰が・何を・どのように」引き継ぐかを決めるための話し合いをします。これを「遺産分割協議」といいます。相続税申告が必要な場合、誰がどの財産を引き継ぐかによって最終的に納める納税額が大きく変わることもあります。 - 相続税申告書の作成
納める相続税の金額が確定したら、税務署の窓口や国税庁のホームページ等から相続税申告書を取得し、作成します。
申告書の書類は第1表から第15表まであり、多岐にわたっていますが、これらは提出が必須の書類と、必要に応じて提出が必要な書類とに分かれています。 - 相続税申告書の提出ならびに納付
作成した相続税申告書を被相続人の住所を管轄する税務署へ提出し、相続税を納付します。なお、相続税申告は相続人1人がまとめて行うのではなく、相続財産を引き継ぐ相続人がそれぞれ行う必要があります。
相続財産の調査結果に基づいて必須事項を全て記載しなければならないほか、追加で提出する書類があるかどうかもご自身で判断しなければなりません。もし、提出した書類に不備や漏れがあると、本来は利用できるだった特例や控除等が適用できなくなるおそれがあります。正確かつ慎重に手続きを進めましょう。
自分だけで相続税申告はできる?
このように、複雑多岐な手続きが求められる相続税申告ですが、専門家の力を借りずにご自身だけで手続きを完了させることは可能でしょうか?
結論としては、相続税申告をご自身ですることは不可能というわけではありません。しかし、ご自身で相続税申告を行うと、財産の申告漏れや税務調査といったリスクが上がりますので、あまりおすすめではありません。
相続税申告は、相続発生日の翌日から10か月以内に行うべきことが明確に決められています。万が一、この期限を過ぎたり申告漏れをしてしまうと、本税とは別に延滞税や加算税といったペナルティを課せられるリスクがありますので、注意しましょう。
ご自身で相続税申告を行おう場合であっても、押さえておきたいポイントについてはこちらのページをご確認ください。
相続税申告のやり直しはできる?
相続税申告は10ヶ月という短い期間で行わなければなりませんが、申告と納付が終わったあと、もし相続税の計算に誤りが見つかったらやり直すことは可能なのでしょうか?
相続税申告には「修正申告」という方法があり、後から申告内容に誤りが見つかった場合には速やかに修正申告を行うべきであるといえます。
もし誤りを見つけても修正申告をしないままで、税務調査で誤りが発覚した場合には、自ら修正申告をした場合よりも重いペナルティが課せられます。まずは正確な申告を行うことが大切ですが、万が一ミスを見つけた場合には修正申告を行いましょう。
なお、後から本来納付すべき金額よりも高い相続税を納めていたことがわかったときは、「更正の請求」を行うことで、払い過ぎた税金を還付をしてもらうことができます。
相続税は、もし本来納めるべき金額よりも不足しているときは税務署による追徴課税がありますが、逆に払い過ぎたとしても税務署が指摘し、自動的に還付してくれることはありません。
また、更正の請求には期限があります。「自分で相続税申告をしたけど、払い過ぎているかも?」と思われた方は、まずは専門家に一度ご相談ください。払い過ぎた相続税が戻ってくる可能性もあります。
遺産分割がまとまらないときは?
もし、申告期限である10ヶ月のうちに遺産分割協議がまとまらず、遺産分割方針が決まらなくとも、相続税の申告は必要です。どんな理由であれ、この期限に間に合わなかった場合には、加算税や延滞税といったペナルティの対象となってしまいます。
なので、もし期限までに遺産分割協議がまとまらないときは、ひとまずは未分割のまま法定相続分にて相続税を計算し、申告と納付を済ませます。その後協議をまとめたうえで修正申告をすることで、追加で納める税金を最小限に抑えられます。また、場合によっては納めた税金が戻ってくることもあります。
期限内に現金で収めるのが難しいときは?
相続税は、10か月以内の期限に、申告とあわせて納付もしなければなりません。また、相続税は原則現金で収める必要があります。
しかしながら、相続財産の大部分が不動産であるなどの事情で、この期限内に現金を用意して一括納付をすることが難しいケースもあるでしょう。そういった場合には、納付日を延長する「延納」や、それでも難しいときは金銭以外で収める「物納」の制度を利用できます。なお、延納を選択すると利子税も納める必要があるほか、物納に充てられる財産には優先順位があるため自由に物納する財産を選べるわけではありません。
メリット・デメリットもありますので、利用するかどうかは慎重に判断しましょう。
相続税申告は、10か月という期限のうちに、相続人や相続財産の調査・評価、遺産分割協議、相続税の計算、申告書の作成、納付を全て済ませなければなりません。また、被相続人の方が亡くなった直後は葬儀の準備などでばたついてしまいますので、実質的な手続き期間は8か月程度しかありません。そうなると、10ヶ月という期間は決して長いとはいえません。
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