
相続税とは、亡くなった方の財産を相続したり遺贈されたりしたときに、その財産の一部に課せられる税金のことです。
こちらでは、相続税について知っておきたいポイントを5つに分けてお伝えいたします。
また、相続税も含めて、相続が始まってからの相続手続き全体の流れについて不安をお持ちの方も多くいらっしゃいます。相続手続き全体の流れについては、以下まとめておりますので、是非ご確認してください。
(1)相続人と相続分
相続人(法定相続人)となる範囲は民法で定められており、被相続人の配偶者、子や孫などの直系尊属(両親、祖父母)、兄弟姉妹とその子に限定されています。遺言書によって相続財産の受取人(受遺者)が指定されている場合も、この範囲自体が変わることはありません。
また、相続人の順位にはルールがあり、民法上定められています。法定相続人の範囲であるからといって必ず相続人になれるとは限りません。配偶者だけは常に相続人となりますが、その他の法定相続人は順位に基づいて相続人になれる人が決定します。
配偶者以外の相続人の順位は、第1順位が「子」、第2順位が「親」、第3順位が「兄弟姉妹」と決められています。上位の相続人がいる場合、それより下位の人は相続人になれません。
なお、第1順位の「子」あるいは第3順位の「兄弟姉妹」が何らかの原因で相続権を失っている場合に、その子や孫に相続権が移行することがあります(代襲相続)。
(2)基礎控除と各種特例・控除
相続税とは、被相続人が所有していた財産の合計額が一定の基礎控除額を上回る場合に、その超過部分を対象に課せられる税金のことです。財産の合計額が基礎控除額の範囲内であれば非課税のため、相続税申告は不要です。
基礎控除額は、以下の計算式で算出されます。
基礎控除額の計算式
- 3,000万円+600万円×法定相続人の数
なお、「法定相続人の数」は、相続放棄した人も人数に含めて計算する必要があるため注意しましょう。
そのほか、養子についても法定相続人になれるものの、上記の基礎控除額の計算式の「法定相続人の数」に含めることができる人数には制限があります。
- 被相続人に実子がいるとき:養子の数は1人まで
- 被相続人に実子がいないとき:養子の数は2人まで
相続税申告には各種特例や控除が複数あり、これらを適用することで課税対象となる財産の合計額を基礎控除額未満に減らすことも可能です。しかし、この場合には特例や控除を利用した結果、基礎控除額を下回る旨の申告を行う必要があります。自動的に適用されるわけではありませんので、注意しましょう。
(3)相続財産とみなし相続財産
被相続人が所有していた不動産や預貯金等の財産や一切の権利義務は、相続発生時には、遺産分割の対象になります。これらは「相続財産」と呼ばれます。
しかし、相続税の計算時には、相続や遺贈によって分割されるこれらの相続財産以外にも、課税対象となる財産が相続税法上で定められています。このような財産をみなし相続財産といい、金銭に換算することのできる経済的価値のあるもの全てが含まれます。
みなし相続財産に含まれる代表的なものには、生命保険金や死亡退職金などが含まれます。みなし相続財産の中でも相続税の非課税枠が設けられているものがありますので、相続が発生したらこのみなし相続財産があったかどうかも確認をしておく必要があります。
また、相続財産には、被相続人名義ではないが実質的には被相続人に属する家族名義の金融資産も含まれることとなり、この「名義預金」の取り扱いについては、しばしば税務当局とトラブルになるポイントでもあります。
(4)相続税申告の期限
相続税の申告・納付の期限は、相続開始日の翌日から10ヶ月と定められています。相続することとなった人は、この期限内に相続人や相続財産の調査を済ませ、遺言書がない場合には相続人による遺産分割協議を実施したうえで、各人の納める税額を計算し、被相続人の最後の住所地を管轄する税務署で相続税申告をします。
いかなる理由があっても、この10ヶ月の期限内に申告しなかった場合には、本来納付すべき税金だけでなく、ペナルティとして追加徴税も課せられてしまうリスクがあります。
そのため、相続が始まったら期限内にお手続きを完了できるようを進めていくのはもちろんのこと、もし何らかの事情で期限に間に合いそうにないのであれば、期限の延長(納税猶予)や現金以外での納付(物納)といった別の方法も視野に入れなければなりません。
(5)生前対策としての相続税対策
相続税には、累進課税制度が採用されております。つまり、相続財産の総額が多いほど課せられる相続税の税率も増えていく仕組みです。
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
このように、相続税率は最大55%にもなります。財産額の多い方は、大切な財産を少しでも多く守るために、生前からの相続税対策を行うことも大切です。
相続税対策の方法は、生前贈与やアパート建設など様々なものが挙げられますが、メリット・デメリットを十分に理解したうえで、ご事情に沿った適切な手段を選択するべきであるといえます。
相続手続きは、必要書類の収集や名義変更など複雑多岐に渡ります。その中でも、相続税申告は明確な期限が設けられているほか、「計算する税理士によって算出額が異なる」とも言われるほど難易度の高い領域です。手続きが間に合いそうにない方や、財産の数も種類も多い方は、特に専門家の力を借りるべきであるといえます。
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